想像力を働かせて。
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2007/05/09
僕は何も知らなかった。君の生い立ちも、君の癖も、君の弱点も、君の行く末も。いつもすぐ傍についていたのに、僕は何も知ろうとせずに相手に自分だけを押し付けていた。そんなことに気付いた時はもう遅くて君はもうそこにいない。そして、不意に唯一覚えている君の口癖が脳裏をよぎったんだ。
「ひとりぼっちは寂しいから。」
ねぇ、セザンヌ、
やっぱり一人は寂しいよ。
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2007/04/03
よからぬことを企む時、いつもうっすら笑みを浮かべてしまう。そのせいかいつも傍におるあやつにはすぐ企みがばれてしまうのだ。それが誰に不利益を齎そうがあやつは必死で私を止めにかかる。それがまた面白くて、この頃ではそれを楽しみにしてしまっている。でも、何故だろうな。今まで誰に言われても企んだことを実行してきた私があやつの表情を伺ってしまうようになった。それは一体…
「まだ引き返せる場所にいるのなら…。」
なぁ、椿よ、
きっとそれは君に嫌われたくないがため。
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2007/04/02
貴女という人間に出会って、早40年になる。まだ貴女と出会って数年のような気がしていたが、よく見れば、貴女の皮膚には張りがなくなって、貴女の腰はくの字を描いている。私を呼ぶ声はか細く、でも40年前と変わらない優しい愛に包まれて、それだけが変わっていない貴女。私は吸血鬼だ。人間の儚さは知っていたつもりだった。でも、いざ失う時になると手放せなくなっている。貴女の細くなってしまった手がいつ私の手をすり抜けて地に堕ちていくかと思うと背筋が凍る。私がそう零すと、君はすかさずこう言うんだ。
「貴方が私を思う限り、私はずっとここにいますから。」
ねぇ、ローデ、
僕も一緒に連れて行って。
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2007/04/01
目が覚めれば、いつでも呼吸補助器が視界に入る。僕にはそれが生きるために必要なものだと理解していても邪魔で邪魔でしょうがないものに変わりない。だから、口元から無意識に取り去る。何の運動をしなくても、10分もすれば荒くなる呼吸。もう10分で息が止まってしまいそうな気がする。そして、布団にパタンと倒れこんで気を失って、また目覚めてみればそこは死の世界ではなく真っ白な病室の天井。先ほどよりやかましくなった病室。手にはさっきなかったぬくもり。もう何度か見た母親の青ざめた顔が心に針を刺す。そして、いつも母親は何かを呟いている。もう、それは呪文のように淡々と。
「――…神様、神様、どうかこの子をまだお召しにならないで…。」
ねぇ、マミー、
僕はマミーの重荷になるために生まれてきたんじゃないのに、どうしてそんなに強く願うの?
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2007/03/31





